Message from Chairman
人間は一人では生きていけません。だから、誰かと一緒に生きようと相手を捜しながら生きています。幸い世の中は、どんなことをしても生きていけるほど豊かな社会となりました。だから誰もがわがままに生きることができています。
それというのも、終戦の廃墟から今日の日本を作ってくれた方達がいたからです。日夜ひたすら働く多くの人達がいてくれたからこその豊かさなのです。そこには、子ども達や家族を犠牲にしても働き続けた方々、身体を壊しながらも人生をかけて働いた方々がいたのです。皆が力を合わせて、欲望に流されず、やりたいことも諦め、今やらなければならない目の前の仕事に取り組んできた結果なのです。
多くの家族は、そんなお父さんを誇りとし、お父さんを中心に笑顔の家庭で応えてきました。そんな方々のお陰で日本という国は、世界に類をみない経済的大発展を成し遂げました。多くの日本人は、国を想う心と家族を想う心をエネルギーとして仕事に邁進してきました。まさに、自分の欲や損得を乗り越え、日本の、社会の利益を優先するために力を合わせるという武士道の生き方そのものであったともいえます。
ところが今日では、あまりにも経済的側面に目を奪われるあまり、精神的側面を忘れてしまっているように思えます。現代日本を支え日夜働いている方々を襲う精神的病群や、個食となって久しい主人の帰りを待つ家族の姿を見れば明らかです。
中学生でも、高校生でも、ある程度のお金が手にできる社会。火に油を注ぐように、誰彼かまわず欲望をそそる文化を容認する社会。そんな社会に生きる子ども達が父親を尊敬できるはずがありません。人生を職種ではかり、役職ではかり、給料ではかる社会のなかにあっては、自分が無償の愛で育てられたことを分かるはずがないのです。
そんな社会の中、RBA インターナショナルは21年を迎えました。微々たるものではありますが、RBA インターナショナルの活動が、経済的側面のみならず精神的側面をも十分配慮した社会の発展に寄与するよう、一歩前進の活動に邁進します。引き続きご理解とご協力をお願いいたします。
2010年1月
特定非営利活動法人(NPO) RBA インターナショナル
会長 久米 信廣